北九州市立大学 親子就活のススメ

10 親がやってしまいがちな「3大NG」がある一方で、親にできるこ と、親にしかできないことがあります。まずは、お子さんが就活に取り 組み始めるころ、親子で就活について話してみることをお勧めしま す。就活は親子対話のよい機会です。親にどの程度関わってほしい か早めに確認しておくと、その後の関係がスムーズになると思いま す。ここからのお話は、お子さんの意向に応じて関わり方を工夫して みてください。 就活で最初のうちに取り組まなければならないのが「業界・企業 研究」です。多くの学生は「消費者目線」で企業を探しがち。消費者 に商品やサービスを直接提供する有名な「BtoC(一般消費者向け) 企業」ばかりに目がいきます。そこにエントリーが殺到するのですが、 世の中には消費者に直接関わらず、企業同士でビジネスをしている 「BtoB(企業間取引)企業」がたくさん。一般には有名でなくても優 良な企業があまたあります。就活では、こちらにも目を向ける「ビジネ ス目線」が必要です。仕事の経験、知識、新聞なども駆使して、広い 視野を持てるよう導いてあげてください。 経団連加盟企業は約1580社(2026年4月現在)、東京証券取引 所などの株式市場に上場している企業だけでも4000社近くあります。 新聞の株価欄を開いてみてください。上場企業は日本を代表する企 業ですが、私たち大人でも知らない優良なBtoB企業がずらりと名を 連ねています。 中堅・中小企業の魅力も伝えてください。国内の企業の総数はざ っと340万社。そのうち中小が実に99.7%を占めています。日本の 経済を支えているのは中小企業なのです。 2027年卒の大卒求人倍率1.62倍は、学生1人に1.62件の求人 があるという意味です。ところが、企業の規模別に倍率を見ると、違 う景色が見えてきます。2026年卒のデータですが、従業員5000人 以上の大企業は0.34倍、300人未満の中小企業は8.98倍で1人 に9件近くの求人があります。業種によっても差が大きく、金融業は 0.21倍、サービス・情報業は0.34倍と厳しい一方、製造業は2.33 倍、建設業は8.55倍、流通業は8.77倍で人手不足が深刻です。 BtoCの大手だけでなくBtoBや中堅・中小企業に、さらに幅広い 業界に目を向ければ可能性は一気に広がります。ぜひ、ビジネス目 線による企業選びのサポートをしてあげてください。お子さんが関心 をもつ業界やお薦めの業界の記事があったら見せてあげましょう。 親の仕事についても話してみてください。ふだんは仕事の話などし ない家庭が多いと思いますが、就活はよい機会です。社会人の先輩 として、どんな仕事をしているのか、できるだけ具体的に話してあげて ください。たとえば、ひと言で「営業」といっても、学生は具体的な中 身はほとんど知りません。会社とは何か、親の職業観、やりがいなど を話してあげてください。 親にできること 親にしかできないこと 視野を広げるお手伝い 自己分析のサポート 就活で必ずやらなければならないことの一つに「自己分析」があり ます。これまでの人生を棚卸しして、自分の強みを整理し、何を成し 遂げたいのかや向いている仕事は何かを考えることです。内省的な 作業ですから、内にこもって行き詰まる学生もいます。長所をアピー ルするのが就活ですが、自分の長所を見つけられない学生も多くい ます。悩んでいるようなら親の出番です。子どもの良いところを一番 知っているのは、なんといっても親。本人が自覚していない長所・短 所を指摘してあげましょう。 最初から「あなたはこうだよね」と決めつけず、対話をするのが効 果的です。たとえば、「アルバイトでどういう役割をしていた?」「困っ たことはあった?」「その時あなたはどう思ってどう行動した?」という ようにエピソードを聞き出しましょう。小さなころのエピソードも重ね て、「あなたのいいところはそこだよ」などと伝えましょう。 面接では、小中学生のころのことまで遡って人柄を確かめる企業 もあります。古いアルバムや資料を引っ張り出して、あのときあなたは こうだったと話してあげるのも手助けになります。 全 体 建設業 製造業 流通業 金融業 サービス・情報業 1.66倍 8.55倍 2.33倍 8.77倍 0.21倍 0.34倍 求人倍率 2026年3月卒 ※リクルートワークス研究所 「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」より

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