北九州市立大学 親子就活のススメ

07 親子就活のススメ 家族で頑張る。家族で支える。 早く優秀な学生に会いたい企業と、就活に学業の邪魔をされたくな い大学――両者の綱引きで、就活スケジュールは前倒しと後ろ倒しを 繰り返してきました。かつて両者の間には「就職協定」がありましたが、 協定破りをする企業が後を絶たず、1997年に廃止されました。現在 は政府がスケジュールを決めて企業に順守を呼びかけています。 この数年は「説明会は大学3年生の3月、面接は4年生の6月解 禁」で変わっていません。しかし、人材獲得競争は年々激しくなり、 3年生の夏から冬にかけてインターンシップ(就業体験)を実施して、 早めに学生に接触しようとする企業が急増。大半の企業がインター ンシップ参加者を採用試験で優遇したり、早めに内々定を出したり するようになりました。 3月の就活解禁後の選考も年々早まり、多くの企業が5月までに 内々定を出すようになりました。一方で、一部の大企業は「面接6月 解禁」を守っています。このため就活は3年生の夏から丸1年続くこ とになり、「早期化+長期化」しました。 インターンシップについては、2025年卒採用から大きなルール変 更があり、参加学生の情報を採用選考に利用できるようになりまし た。以前は学業がおろそかになりかねないとして、表向きはインター ンシップを採用に直結させることは禁止されてきました。しかし前述 のようにインターンシップを採用の一環としている企業が増え、ルー ルを現状に合わせたわけです。インターンシップは、学生と企業がお 互いをよく知ることにつながり、ミスマッチの防止につながります。欧 米では長期のインターンシップに参加した学生を採用するのが一般 的です。ようやく日本でも、「インターンシップからの採用」という本来 のあるべき形になるとも言えます。 ただし、採用に直結するインターンシップは5日間以上で、その半分 以上を職場での就業体験にあてる、職場の社員が学生を指導し、イン ターンシップ終了後にフィードバックするなどの条件があります。長い 期間学生を拘束するため、実施時期は3年生以上の夏休み、冬休み、 入試・春休みの長期休暇期間です。学生情報を採用に活用するのは 3年生3月の就活解禁以降に限るとしていますが、3年生夏のインタ ーンシップ以降、早々に事実上の内々定を出す企業は増えています。 学生は志望する企業のホームページや就活ナビからインターンシ ップのエントリーや会社説明会の申し込み、本選考に向けてのプレ エントリー、ESや自己PR動画提出などを行います。多くの企業はイ ンターンシップや本選考でESや動画と適性検査(SPI)などによる選 考の後、筆記試験や面接を実施します。インターンシップなどの参加 状況により、一部選考過程を免除するケースもあります。適性検査に ついては、対策本などによる早めの対策が欠かせません。 面接は学生1人に対する個人面接、数人を同時に見るグループ (集団)面接、学生5~8人によるグループディスカッション(GD)な ど、形式はさまざまです。本選考の面接回数は3回程度が普通です が、中には5~6回行う企業も。面接の前に、リクルーターと呼ばれ る若手社員による面談を繰り返す企業もあります。面談のあとに、学 生にどこが良かったか、どこを改善すべきかといったフィードバックを する企業も出てきました。 新型コロナが拡大した時期、対面の面接ができなくなり、多くの 企業がオンラインによるWEB面接を一斉に導入しました。当初は企 業にも学生にも戸惑いが広がりましたが、企業にとっては手軽に大 勢の学生の面接ができ、学生にとっても1日に何社もの面接を受け られ、地方の学生や留学生も移動せずに東京の学生と同じ条件で 受けられるというメリットがあり、すっかり定着しました。ただWEB 面接では、企業は学生の熱意や人柄を感じにくく、学生も会社の雰 囲気を体感できません。コロナ禍を経て、初期の選考はオンラインで 行い、最終面接だけは対面で実施する「ハイブリッド型」の採用活動 が増えています。 ルール変更以前は、企業が自分たちの仕事について学生に知って もらう貴重な機会として、1日や2日間のプログラムでインターンシッ プを行うことが多くありました。新型コロナの影響でWEBを利用した インターンシップも広まり、オンラインと実際に対面してのプログラム を組み合わせるなど様々な形のプログラムが提供されています。ただ 今回のルール変更により、「インターンシップ」を名乗れるのは5日間 以上のプログラムに限定されるようになり、期間が短いものは「オー プン・カンパニー」などの名称に変更されました。あまり耳慣れない 言葉ですが、「インターンシップ」は長期間で就業体験ができ就活に 直結、「オープン・カンパニー」などの短期間イベントは会社の説明会 がメインで、就活には直結しない、というふうに違いを押さえておきま しょう。選考に直結するインターンシップは企業側の負担も大きく、 オープン・カンパニーなどの短期間イベントはなくならないと見られま す。いずれのイベントも仕事の理解を深め、インターネットだけでは わからない企業の雰囲気を体感できる絶好の機会ですので、ぜひ積 極的な参加をおすすめします。 学生確保のための企業側の動き出しは全体的に早まり、就活の 早期化は加速しています。3年生夏に就活の山場がくるようになり、 3年時に海外留学を考えている人にとっては悩ましい事態になってい ます。ただ、インターンシップ参加者しか採用しない企業は多くはあ りません。留学を諦めるようなことはせず、就活と両立できるスケジュ ールを早めに考えるなど、情報収集と心構えをしっかりしておくこと が大切です。 また、インターンシップなどのイベントは参加人数も限られるため 選考をすることが多いですが、たとえ選考がうまくいかなくてもその 経験を生かして本番の就職活動では内定を複数取った学生もいま す。くれぐれもインターンシップの選考結果だけで就活を悲観したり やる気を失ったりしないよう、サポートしてあげてください。なお、 2026年卒採用は、「専門性の高い人材」に限り選考解禁が3年生の 3月に前倒しされました。対象の人材はA(I 人工知能)などデジタル 分野の技能を持つ学生が想定されています。2027年卒採用につい ても同様に、選考を3カ月ほど早めることが決まっています。 インターンシップ急増で早期化+長期化 選考方法(ESによる書類選考→GD・面接)

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